人材業界探偵社

人材会社の採用戦略担当から見たHR業界の不思議な世界

「紳士協定」という求人業界の闇について

f:id:hashiramotoh:20160628192825j:plain

紳士協定って何ですか?

この言葉、ご存知でしょうか?

人材業界、求人業界の闇のルールとでもいいましょうか。

現代において「紳士協定」とかいう既得権益を守るためのくだらないルールが、まだ存在するとは想像もしていませんでしたが、実際、この2、3ヶ月はこのしょうもない仕組みによって私の仕事は邪魔をされ、横槍を入れられ、散々な目にあいました。

ようやくこの「紳士協定」とやらを駆逐できる目処が立ちましたので、こんな不文律を盾にクライアントの利益をまったく考えない業界に対して一石を投じます。

紳士協定が登場するまで

そもそも紳士協定の意味って何?な人のためにこちら説明。

 

いわゆる不文律(暗黙の了解)の1つで、国家や団体、および個人間における取り決めのうち、公式の手続きによらず、互いに相手が履行することを信用して結ぶものをいう。

 

昔のF1、セナ&プロスト時代のチームオーダー事件とか、野球、サッカーの慣例などにあるようです。またBMWアウディ、ベンツの最高速度が250kmで統一なのもこれだそうです。

人材業界においては、就職活動の解禁日とか、

A社の開発者をB社が引き抜いてはならない、とか

退社後は直接の競合企業に転職してはならない、とか

いろいろと調べると出てきます。なかなか自分勝手なルールですね。

で、今回の話は求人広告掲載における紳士協定になります。

うちの会社は人材派遣とかアウトソーシングの事業を営んでますので、常時求人活動をやっておるわけです。しかもいろんな求人媒体にいろんな窓口から発注するというなんとも効率的でない手法で行ってました。

そこでまず発注の一元化でムダの削減を図ることにして、すべての求人媒体掲載をある1社の代理店から依頼することに決めました。

で、掲載中の各求人媒体会社に

「次の掲載から代理店の発注にするからよろしくねー」

と通告すると数社は

「紳士協定違反ですのでできません!」

という難癖をつけてきました。これが発端です。

時代錯誤もはなはだしい

簡単に言うとこういうことです。

たくさんある拠点の中で契約継続中のところがある限り、営業権利は求人媒体側にあるので、代理店は手をだしちゃダメですよと。

つまり紳士協定とは求人メディア会社と代理店がお互いに顧客の取り合いはやめましょう、という暗黙の了解のことです。

なんじゃそら!あほらしい。

ちょっと待てと。求人媒体会社の役目ってクライアントの採用成功じゃないの?

もっとわかりやすく例えるとこんなこと言ってます。

 

家族3人、父母と長男で紳士保険会社のA保険に加入してました。

「保険の窓口」にふらりと立ち寄ったら、お父さんはA保険よりお得なB保険をすすめられたのでA保険を解約してB保険の加入を決めました。AもBも紳士保険の商品です。

すると紳士保険会社は「保険の窓口」に対して

「お母さんと長男のA保険契約が継続中なのでお父さんのB保険契約は認められぬ」

「契約したかったら紳士保険会社と直接やりなさい」

とまあ、こういうことです。

このケースは保険という商品特性上、極端で即違法ですが、こんな話がいかにも正論でまかり通ってる業界ってどうなんですか?私には時代錯誤もはなはだしいし、顧客の利益を考えない横暴にしか思えませんね。意味不明です。

「いったい君たちはいつの時代に生きているのだね?自由競争じゃないのか?」

と思いますが、求人媒体会社の営業マンは強気一辺倒であり、主張は平行線、あげくには第三者機関が求人媒体会社の利益代弁者ぽく登場、

「あなたのやろうとしてることは普通でない、手を引きたまえ」

「求人媒体会社を敵に廻したら商売できなくなるよ」

と言ってたしなめられる、みたいなことも発生する始末。

そもそも代理店という販売システムを都合よく開発しておいて、おいしいところは一切渡さない、顧客の利益が損なわれても関係ないという態度も気に入らないし、ろくな提案もできないヘボ営業マンに人材会社の本部担当なんか務まるわけないし、ましてや私のような担当者相手に。

と言っても2社は結局妥協点が見つけられず、決着するまで2,3ヶ月かかってしまったのでした。途中の交渉や先方の対応などは割愛します。

こんな不毛な争いをしないために

求人に対して結構な費用を使ってる会社は今後代理店経由で求人媒体掲載されることを私はお奨めします。メリットは多々あり、それについてはまた後日説明します。

で、結論としてこの最低な「紳士協定」を駆逐する方法ですが、まず大前提として、そんなルールは勝手に通念上存在しているだけで実体がないということです。

規約や約款があるわけではないので、破るまでがルール、クライアントの自由な意思決定を理不尽に許さないのは独占禁止法違反、私的独占です。これが決定打。

私も求人媒体会社出身で、下手に紳士協定の存在も当然知ってましたし、元同僚の代理店営業マンと組んでこの一件を画策しました。紆余曲折あって落ち着いたあとで1つ言えるのはこんなばかばかしい仕組みが必要悪としてある以上、業界の未来なんかないってことです。自分たちのことばかりでなく、もっと顧客の意見に耳を傾けて欲しいものです。

 

 

↓ポチっとお願いします!
にほんブログ村